検索順位は毎日測れるのに、ChatGPTやGoogle AI Overviewsの回答に自社が出ているかは測れていない。2026年に入り、この空白を埋めるための専用ツールが出そろってきました。
本記事では主要8ツールを、機能・価格帯・向き不向きで整理します。ベトナム市場で事業を展開される日系企業の担当者の方が、社内で予算を通し、導入可否を判断できる水準を目安にまとめました。
価格はいずれも2026年9月時点で各社が公開している金額です。この分野は改定が速いため、稟議の前に必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。
なぜ専用ツールが必要なのか
従来のSEOツールは「検索結果の何位か」を測る設計です。一方、生成AIの回答では次の3つが別々の指標になります。
- AI露出度:対象とする質問群のうち、回答に自社が何らかの形で現れた割合
- 引用:出典リンクとして自社ドメインが提示された回数
- 言及とセンチメント:リンクなしで社名が挙がった回数と、その語られ方
AIの回答は同じ質問でも毎回変わり、利用者やプラットフォームによっても異なります。そのため、決めた質問群を定期的に投げて記録するという運用が必要になります。手作業では続かないため、ツールが要るというわけです。
8ツールの早見表
| ツール | 強み | 想定規模 | 価格(2026年9月時点) |
|---|---|---|---|
| Semrush AI Visibility Toolkit | 調査から計測まで一通り | 中小〜中堅 | 99 USD/月 |
| Semrush AIO | 製品・地域・言語別の詳細計測 | 大企業 | 個別見積り |
| Peec AI | 競合比較とセンチメント | 中小〜大 | 約104 USD/月〜 |
| Profound | 生データとAPI、ほぼリアルタイム | 大企業・データ部門 | 非公開 |
| Writesonic | 計測とコンテンツ制作が地続き | 小規模コンテンツ班 | 249 USD/月〜 |
| Otterly AI | 低予算で始められる | 個人・スタートアップ | 約29 USD/月〜 |
| Botify | クロール性とボット挙動の解析 | 大規模サイト | 非公開 |
| Athena | AI露出と事業成果の接続 | 中堅・グロース部門 | 非公開 |
各ツールの特徴
1. Semrush AI Visibility Toolkit
プロンプトの調査、露出の計測、競合分析、ブランドの語られ方の監視までを1つで扱えます。LLMが自社サイトを読み取れているかを確認するAIサイト監査も含まれます。99 USD/月。Semrush Oneには7日間の無料試用があり、Starter 199 USD/月、Pro+ 299 USD/月、Advanced 549 USD/月という構成です。まず全体像をつかみたい場合の標準的な選択肢になります。
2. Semrush AIO
上位版にあたり、製品・ブランド・地域・市場・言語ごとに露出、言及、センチメント、引用を分けて追えます。ChatGPTのショッピング領域で自社製品がどう表示されるか(掲載位置、価格、属性比較)まで見られる点が特徴です。価格は個別見積り。多拠点・多言語で展開する企業向けです。
3. Peec AI
競合との比較に強いツールです。露出度、表示位置、センチメントを主要競合と並べて評価できます。Starter 約104 USD/月(ChatGPT・Perplexity・AI Overviews、25プロンプト)、Pro 約231 USD/月(100プロンプト、Slack対応)、Enterprise 約580 USD/月〜(300プロンプト超、Gemini・Claude・DeepSeekなどに拡張、専任担当付き)。プロンプト数が価格を決める設計なので、測りたい質問数を先に見積もってください。
4. Profound
加工済みのレポートではなく生データとAPIを提供する方向のツールです。監視の更新頻度も高く、BIツールや社内基盤に取り込んで運用する前提になります。逆に言えば、分析できる人員がいないと持て余します。価格は非公開のエンタープライズ契約です。
5. Writesonic
露出の計測とコンテンツ制作が地続きになっているのが特徴で、AI検索上の抜けを見つけてそのまま記事化まで進められます。Professional 249 USD/月(ChatGPT・Perplexity・AI Overviews、100プロンプト、1地域1言語)、Advanced 499 USD/月(Gemini追加、センチメント分析、AI検索経由の流入データ、200プロンプト)、Enterprise は個別見積り(Claude・Copilot・Grok・DeepSeek・Meta AIまで対応、地域とプロンプト数は無制限)。ProfessionalとAdvancedには7日間の無料試用があります。
6. Otterly AI
最も始めやすい価格帯です。Lite 約29 USD/月(15プロンプト、ChatGPT・AI Overviews・Perplexity・Copilot、GEO監査1,000回/月)、Standard 約189 USD/月(100プロンプト、ワークスペース無制限、GEO監査5,000回、Looker Studio連携)。オンページ25項目以上のGEO監査が付き、技術的な初期設定もほとんど不要です。まず自社がどの程度引用されているかを知りたい段階に向いています。
7. Botify
AI露出の専用ツールというより、大規模サイトのクロール性とボットの挙動を扱う基盤です。AIのクローラーが実際にどこまで巡回できているかをログから確認できます。価格は非公開で、URL数・プロジェクト数・ログ解析の深さに応じたエンタープライズ契約(月数千USD以上が目安)。コンテンツ戦略が主課題の場合は過剰投資になります。
8. Athena
AI露出の変化を流入やコンテンツの成果と結びつけて見ることに主眼があります。価格は非公開で、エントリー層とエンタープライズの中間帯。マーケティング予算が安定してきた中堅企業が、次の一手を決めるために使う位置づけです。
選び方の3つの判断軸
1. 既存の環境に収まるか
すでにSemrushを使っているなら同系列で揃えるほうが早く、BIに取り込みたいならAPIの有無が決め手になります。ツール単体の機能より、今の運用に無理なく差し込めるかを先に見てください。
2. どこまでのデータが必要か
生データを扱える人がいないなら、提案まで出してくれるツールのほうが成果が出ます。分析人員がいないのに高機能を選ぶと、契約したまま使われなくなります。
3. 計測だけか、実行まで含めるか
計測に特化したツールと、改善の実行まで担うツールでは性格が違います。社内に制作体制があるなら計測特化、少人数で回すなら実行支援付きが現実的です。
ツールを入れる前に決めておくこと
導入して失敗する典型は、何を測るかを決めないまま契約することです。次の3点は先に固めてください。
- 質問群:自社の購買につながる問いを20〜50件。プロンプト数が価格に直結するため、ここが見積りの基礎になります。
- 比較対象:競合3社程度。単独の数値より、相対値のほうが社内で判断しやすくなります。
- 報告の型:誰に、どの頻度で、どの指標を出すか。ここが決まっていないとデータが溜まるだけになります。
TOSのAI Visibility Checkでは、6つのGEO評価軸でサイトを採点し、同業他社3社と比較できます。有料ツールを検討する前の現状把握としてお使いいただけます。
AI Visibility計測ツールに関するよくあるご質問
無料で測る方法はありますか?
主要な質問を手作業で各AIに投げて記録すれば、傾向はつかめます。ただしAIの回答は毎回変わるため、複数回の平均を取る必要があり、継続には向きません。まずは手作業で20件ほど試し、続ける価値があると判断してから有料ツールに移るのが堅実です。
どのプラットフォームを計測対象にすべきですか?
ベトナム市場では、まずChatGPTとGoogle AI Overviewsを押さえれば大半をカバーできます。B2Bで専門性の高い領域ではPerplexityも加えてください。最初から全プラットフォームを追う必要はありません。
ツールの数値はどこまで正確ですか?
いずれもサンプリングによる推計です。絶対値そのものより、自社の推移と競合との相対差を見るのが正しい使い方です。社内報告では、必ず調査時点と計測方法を併記してください。
順位計測ツールを置き換えるものですか?
置き換えではなく追加です。クロールとインデックスというSEOの土台が崩れていれば、AIの候補にも入りません。順位と引用は両方を並行して見てください。
導入してから成果が見えるまでどのくらいですか?
現状把握は初月で完了します。施策の効果が露出の数値に表れるまでは、通常3か月程度を見込んでください。
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